引き続きそのリグを改造していく形で、エクスプレッション設定までをモデラーで行い、変換しただけでIK/FKブレンド切り替えが出来るリグに仕上げていきます。
【エクスプレッション設定】
GENOMA2のエクスプレッションタグを使用して、Modeler側でエクスプレッションをあらかじめ組んでおくことができます。
Layoutで変換した際は、グラフエディタ内のエクスプレッションとして設定されます。
前回作成したIKリグの上あたりにGENOMAボーン「leg_base」を作り、IKタブの「Unaffected By IK」のチェックを入れます(色は「Dark Red」にしました)
「leg_00」の親を「leg_base」にします。
「leg_00」の「Unaffected By IK」のチェックを外します。
IK/FKスイッチ用のGENOMAボーン「IKFK_switch」を作り、Item Typeを「NUll」、Active Gizmo ChannelsのHにチェックを入れます。(色は「Red」にしました)
Item Shapeを「Ring」、ラベルにも名前を入れて表示方向を「Right」にします。
RotタブのHeading Limitsをチェックし、範囲を0〜100に設定。
いよいよエクスプレッションタグを仕込んだGENOMAを作ります。
新たにスケルゴンを作り「Expression Tag」を選びます
エクスプレッション名を「IKFK」、Expressionに「[IKFK_switch.Rotation.H]*0.01」と入力します。
本来は「[IKFK_switch.Rotation.H]/100」と入れたい所ですが、GENOMA2のバグで複数個の割り算があるとエクスプレッション名がおかしくなり、正しく設定されません。「/100」を「*0.01」というように掛け算表記にすることでバグを回避できます。(実はこのバグのために記事にするのをずっと躊躇していました。掛け算にするという回避方法を思いつくのに一年ぐらいかかりました…)
エクスプレッションタグを埋め込んだGENOMAは[E]アイコンに変わります。(アイテムカラーは手動で緑にしています)
「leg_00」のExprタブのIK/FK Blendingの項目に先ほどのエクスプレッション名を入力します。(これでLayoutでは、ボーン「leg_00」のモーションオプションの IK/FK Blendingにエクスプレッションが割り当てられます)
IK/FK Blendingはそのチェーン内全体に影響する様なので、一つ設定すればその脚全体のスイッチになります。(「Unaffected By IK」を入れたところまでが一区切りということ)
もう一つ、足首用のエクスプレッションを作成し、名前を「IKFK_Zero」、式を「(100-[IKFK_switch.Rotation.H])*0.01」にします。
足首だけ別のエクスプレッションが必要な理由は、IK/FKブレンディングの有効無効と、回転に同期の有効無効の0%〜100%の振る舞いが逆なためです。(こういうのは統一してくださいよ…)
「foot_00」のExprタブ、Rotation Compensationに「IKFK_Zero」を入力します。(回転アイテムの影響%にエクスプレッションが割り当てられます)
LayoutでCreate Rigします。IKFK_switchのNullのヘッド回転でIKとFKが切り替わるリグができました。
ここまで組んだファイルはこちら
G003+Exp.zip
>> 其の三 最終回につづく
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